今東光

天台宗僧侶、小説家、参議院議員とマルチな活躍をした人物。小説では代表作ともいえる『お吟さま』で第36回直木賞受賞。

開高健

小説やエッセーなど幅広い分野で作品を残した作家。代表作は、芥川賞を受賞した小説『裸の王様』や『輝ける闇』『玉、砕ける』『耳の物語』など。またトリスウイスキーのキャッチコピー「人間らしくやりたいナ」は開高が手がけたもの。世…

林芙美子

庶民の目線での名作を残した女流小説家。代表作は自伝的小説『放浪記』をはじめ『浮雲』『晩菊』『めし』『うず潮』など。その作品は数多く映画化もされている。非常に多作で知られるが過労がたたり、1951年6月28日、心臓麻痺のた…

宇野千代

明治、大正、昭和、平成と生きた作家。その生涯において、作家の尾崎士郎、画家の東郷青児、北原武夫といった有名人との恋愛・結婚を繰り返したことでも知られおり、その華やかな人生は宇野自身の先品の中でも描かれている。代表作は、市…

石川達三

小説家。ブラジル農場での実体験をベースにした『蒼氓』(読み:そうぼう)で、第1回芥川賞(1935年)を受賞した。1938年に発表した中国戦線をテーマにした小説『生きてゐる兵隊』は新聞紙法問われ発禁処分となり、禁固4ヶ月執…

石坂洋次郎

「百万人の作家」といわれた、戦前戦後の流行作家。代表作である『青い山脈』は何度も映画化、ドラマ化された。『青い山脈』のほか『陽のあたる坂道』『若い人』『あいつと私』『颱風とざくろ』など著書多数。晩年は認知症や高血圧など体…

加藤唐九郎

「現代の名工」とうたわれた陶芸家。織部焼の技術で国の無形文化財有資格者に認定されるも、8年後に永仁の壺事件で認定を取り消される。しかし、作家・山田風太郎は「この事件ののち、重要文化財級の作品を作れる男として加藤の名声はか…

山崎豊子

『白い巨塔』『華麗なる一族』『大地の子』『沈まぬ太陽』など数々のヒット作を生み出した小説家。本名は杉本豊子。旧制京都女子専門学校(現・京都女子大学)を卒業後、毎日新聞社に入社し、勤務の傍ら小説を書き始める。作家デビューは…

火野葦平

小説家。本名は玉井勝則。旧制小倉中学校(現・福岡県立小倉高等学校)在学中に文学を志すようになり、早稲田大学英文科に入学、大学中退後は家業を継いでいた。1938年、出征前に書いた小説『糞尿譚』が第6回芥川賞を受賞し一躍注目…

横光利一

大正から昭和にかけて活躍した小説家。本名は横光利一(としかず)。菊池寛に師事し、1923年、『文藝春秋』に『蝿』を、『新小説』に『日輪』を発表し文壇デビューを果たす。その後、生涯の友・川端康成らと『文芸時代』を創刊し、「…

山崎富栄

小説家・太宰治とともに入水自殺を遂げた美容師。父・山崎晴弘は日本発の美容学校「東京婦人美髪美容学校」の創設者。三井物産の社員と結婚していたが、夫は戦時中に行方不明となっていた。戦後、神奈川県鎌倉で美容院を開業、その後、東…

尾崎秀実

中国問題評論家、共産主義者、ジャーナリスト、朝日新聞社記者など。新聞記者だった父に伴い少年時代を台湾で過ごす。やがて中国問題に関心を持つようになり、朝日新聞社時代には上海支局に籍を置いた。中国問題のエキスパートとなった尾…

木下杢太郎

詩人、劇作家、皮膚科の医学者、翻訳家、美術史研究家、切支丹史研究家。本名は太田正雄。きしのあかしや、堀花村、地下一尺生、葱南などの筆名もある。東京帝国大学医科大学に在籍する傍ら、1908年、詩人・北原白秋らと青年文芸・美…

小山初代

小説家・太宰治の内縁の妻。芸妓としての名は紅子。太宰の小説『東京八景』『姥捨』などに登場する女性のモデルとなったことで知られる。太宰と出会ったのは、料亭「玉屋」で仕込妓をしていた時で、この時太宰はまだ高等学校の1年生であ…

中里介山

約30年もの長期連載ながら未完の一大巨編時代小説『大菩薩峠』で名高い小説家。本名は中里弥之助。日刊新聞「都新聞」に入社し勤務する傍ら小説を執筆し、1909年に初の連載小説となる「氷の花」を同新聞に発表した。1913年から…

北原白秋

「雨降り」「からたちの花」「待ちぼうけ」「あわて床屋」など今も歌い継がれる数多くの童謡をつくったことで知られる詩人、童謡作家、歌人。本名は北原隆吉。少年時代から文学に熱中し、中学を中退すると早稲田大学英文科予科に入学、学…

新美南吉

名作童話『ごんぎつね』『手袋を買いに』などで知られる児童文学作家。本名は新美正八。童話のほか、童謡、詩、短歌、俳句、戯曲などにも才能を発揮したが、わずか29歳という若さで結核のため世を去った。安城高等女学校(現・安城高校…

萩原朔太郎

「日本近代詩の父」とも呼ばれる詩人、小説家。本名同じ。少年時代から身体が弱く、神経質であったという。旧制県立前橋中学校(現・群馬県立前橋高等学校)に在学中の1902年、校友会誌に短歌『ひと夜えにし』を発表したのが処女作。…

中里恒子

小説『乗合馬車』で女性として初めて芥川賞を受賞した小説家。代表作に読売文学賞を受賞した『歌枕』、芸術院恩賜賞を受賞した『わが庵』、女流文学賞を受賞した『誰袖草』、映画化もされた『時雨の記』など多数。なお、少女向け雑誌『少…

青島幸男

放送作家、俳優、作詞家、小説家、政治家であり、『才人』『超マルチタレント』としてその活動は非常に多岐にわたった。まず、放送作家としてキャリアをスタートさせ、『おとなの漫画』や『シャボン玉ホリデー』をヒットさせる。また番組…

景山民夫

小説家、放送作家。放送作家として『シャボン玉ホリデー』『タモリ倶楽部』『11PM』『クイズダービー』といった人気番組に携わる一方、放送作家の高田文夫とコンビ『民夫君と文夫君』を結成したり、落語立川流に入門したり(名は『立…

北原亞以子

小説家。 『恋忘れ草』で第109回直木賞受賞。OLをしながら執筆活動をつづけ、処女作『ママは知らなかったのよ』にて第1回新潮新人賞を受賞する。その後、なかなか芽が出ずにいたが、40代より時代小説を軸足を移すことで、本格的…

斎藤憐

劇作家。本名は安彦憐(あびこれん)。早稲田大学第二文学部中退後、劇団『自由劇場』の結成に参加。代表作は岸田國士戯曲賞を受賞した『上海バンスキング』(串田和美演出)。ほか、『カナリア』(1997年)で菊田一夫演劇賞、『春、…

藤原伊織

推理作家。本名は藤原利一(ふじわらとしかず)。電通に勤務しながら、小説の執筆活動を開始。『ダックスフントのワープ』(1985年)で第9回すばる文学賞受賞、『テロリストのパラソル』(1995年)で史上初の直木賞と江戸川乱歩…

如月小春

劇作家、演出家、エッセイスト。本名は楫屋正子(かじやまさこ)。小劇場演劇における第三世代のひとり(第三世代はほか野田英樹や渡辺えり、鴻上尚史、川村毅、木野花ら)。1982年に劇団「NOISE」を立ち上げ、『DOLL』(1…

ヤマグチノボル

ライトノベル作家。 2011年7月15日、自身が闘病中であり、病名ががんであること、そして病状が末期であることを公表。その後2年にわたり病魔と闘うも、2013年4月帰らぬ人となる。死の数日前までTwitterやブログを更…

野上弥生子

99歳で天寿を全うするまで筆を持ち続けた作家。法政大学女子高等学校の名誉校長も勤めた。本名は野上ヤヱ。夫は夏目漱石門下の野上豊一郎。俳句雑誌『ホトトギス』にデビュー作を発表し作家活動をスタートさせると、以降、20年代の女…

野口米次郎

明治、大正、昭和期に活躍した英詩人、小説家、評論家、俳句研究者。彫刻家イサム・ノグチの父としても知られる。英詩人としてのペンネームはYone Noguchi。慶應義塾大学文学部を中退後、渡米し、詩人ホアキン・ミラーに師事…

武田麟太郎

小説家。代表作に『日本三文オペラ』『井原西鶴』『銀座八丁』『釜ケ崎』『雪の話』など。長男は詩人・武田文章、次男は河出書房の編集者・武田穎介。高校在学中に文章を書くようになり、東京帝国大学文学部中退後、『文藝春秋』に『暴力…

円地文子

小説家。本名は円地富美。夫は『東京日日新聞』の記者だった円地与志松。はじめは劇作家を志し、劇作家・小山内薫に師事した。小説家として評価されるようになったのは1960年代からと遅く苦労も多かったが、代表作『女坂』をはじめ『…

斎藤十一

『週刊新潮』『FOCUS』など数多くの雑誌を創刊した新潮社のカリスマ編集者。社内では「天皇」「怪物」と呼ばれ恐れられたという。1935年、早稲田大学理工学部を中退後に新潮社に入社。同時期に在職した作家・伊藤整が斎藤につい…

山口瞳

作家、エッセイスト。息子は作家で映画評論家の山口正介。編集者を経て、壽屋(現・サントリー)に入社し、PR誌「洋酒天国」の編集やコピーライターとして活躍。コピーライターとしての代表作に「トリスを飲んでHawaiiへ行こう!…

埴谷雄高

小説家。台湾にて生まれ、本名は般若豊(はんにゃ ゆたか)。代表作は未完の大長編小説『死霊(しれい)』。

中上健次

戦後生まれ初の芥川賞作家。被差別部落出身(中上自身は部落のことを「路地」と表現する)。 芥川賞受賞作である『岬』や『枯木灘』『鳳仙花』『千年の愉楽』『地の果て 至上の時』など、中上の故郷である熊野を舞台にした作品を立て続…

榊莫山

「バクザン先生」の愛称で知られた書道家、作家。本名は榊齊(はじむ)。ひょうひょうとしたキャラクターからCMやバラエティ番組にも多数出演し、お茶の間の人気者となった。師範学校卒業後、教員として国民学校で勤務していたが、19…

東郷青児

洋画家。本名は東郷鉄春。1916年、第3回二科展に初出品した『パラソルさせる女』が二科賞を受賞し、注目を集めるようになる。デフォルメされたフォルムと柔らかな色彩で描かれた独特な女性像は一世を風靡し、戦後を代表する美人画家…

北杜夫

エッセイ『どくとるマンボウ』シリーズで知られる作家。精神科医、医学博士でもある。本名は斉藤宗吉。父は歌人で医師の斉藤茂吉。兄はエッセイストで精神科医の斉藤茂太。娘はエッセイストの斉藤由香と作家一家である。東北大学医学部卒…

佐野洋子

傑作絵本『100万回生きたねこ』などで知られる絵本作家、エッセイスト、作家。元夫は詩人の谷川俊太郎。武蔵野美術学校デザイン科を卒業後、ベルリン造形大学でリトグラフを学び、その後、絵本『やぎさんのひっこし』で絵本作家デビュ…

坂口安吾

『堕落論』『白痴』などで時代の寵児となった無頼派の作家。本名は炳五(へいご)。純文学、歴史小説、推理小説、エッセイなど幅広いジャンルの作品を残し、その後の作家たちに多大な影響を与えた。幼い頃から破天荒な性格で、早くから小…

金子光晴

反骨の文化人として知られた詩人。本名は金子安和。弟は詩人で小説家の大鹿卓。妻も詩人である森三千代。早稲田大学、東京美術学校、慶應義塾大学をいずれも中退後、詩作を始めた。養父の遺産を使いヨーロッパに渡り、帰国後の1919年…

サトウハチロー

詩人、童謡作詞家、作家。戦後のヒット曲第一号となった『リンゴの唄』や童謡『ちいさい秋みつけた』『かわいいかくれんぼ』『うれしいひなまつり』などの作詞家として知られる。本名は佐藤八郎。別名に、陸奥速男、山野三郎、玉川映二、…

阿部定

日本を騒然とさせた猟奇殺人事件「阿部定事件」の犯人、芸妓。江戸時代から続く畳店の末娘として生まれ、近所でも評判の美少女として育った。しかしその後、家庭内の問題などからしだいに不良少女となり、17歳の時、芸妓となった。やが…

夢野久作

日本探偵小説三大奇書のひとつとして有名な『ドグラ・マグラ』を書いた小説家。禅僧、陸軍少尉、郵便局長、詩人などさまざまな顔を持つ。海若藍平、香倶土三鳥などのペンネームも使用した。禅僧としての名は雲水、法号を萠円。本名は杉山…

内田百閒

小説家、随筆家。本名は内田榮造。別号は百鬼園。夏目漱石の門弟となり、漱石の作品の校正などを手伝い、漱石没後は『夏目漱石全集』の編集に参加した。1922年、『冥土』で小説化デビュー、以後、得体の知れない恐怖感を表現した小説…

吉行淳之介

小説家。対談やエッセイの名手としても有名。東京帝国大学を学費未納により除籍後、アルバイトをしていた新太陽社に入社。ちなみにこのとき、アルバイト編集者で澁澤龍彦がいた。会社員として働くかたわら、同人雑誌に作品を発表、195…

岡真史

12歳で夭折した少年。 作家の高史明の息子であり、父の影響からか幼い頃から和洋問わず膨大な量の本を読んだという。 12歳9ヶ月のとき、近所の団地にて飛び降り自殺。彼の死後、彼が自殺当日まで綴っていた詩作が父親の手によりま…

大岡昇平

小説家、評論家、フランス文学の翻訳家で研究家。太平洋戦争の際、フィリピン戦線でアメリカ軍の捕虜となった経験を書いた『俘虜記』で文壇に登場、同作は横光利一賞を受賞した。以後、『野火』『レイテ戦記』など戦争をテーマにした傑作…

吉本隆明

「戦後思想界の巨人」と呼ばれた思想家。詩人、評論家でもある。作家・よしもとばななの父としても知られる。文学からサブカルチャー、社会、政治、宗教など幅広い領域を対象に評論、思想活動を行い、数多くの著作を世に送り出し、長年に…

澁澤龍彦

小説家、仏文学者、評論家。別名のペンネームに澁川龍兒、蘭京太郎、Tasso S.などがある。晩年の号に呑珠庵、無聲道人がある。本名は澁澤龍雄。ジョルジュ・バタイユ、マルキ・ド・サドの翻訳、紹介者として知られる。1961年…

永井荷風

明治から昭和にかけて活躍した文豪。随筆家でもある。本名は永井壮吉。号は金阜山人、断腸亭主人、石南居士など。1902年、傾倒していたフランスの小説家エミール・ゾラの影響を受けた『地獄の花』を刊行、同作は森鴎外に絶賛され出世…