石川淳

無頼派(新戯作派)のひとりとして活躍した小説家。本名は淳(きよし)。号は夷斎(いさい)。東京外国語学校フランス語科を卒業後、福岡高等学校で教職についていたが辞任、その後はフランス文学の翻訳などをしていた。1937年に発表…

織田作之助

無頼派(新戯作派)のひとりとして活躍した小説家。「オダサク」の愛称で親しまれた。小説家を目指し、青山光二らと同人誌『海風』を創刊、同誌に短編をいくつか発表し次第に注目を集めるようになり、1940年に発表した『夫婦善哉』で…

中島敦

小説家。代表作の『山月記』『李陵』は教科書に採用されたことからよく知られている。漢文調の格調高い端正な文体とユーモラスな文体を巧みに使い分け独特の世界観を生んでいた。小説家として活動した期間は非常に短く、文壇デビューした…

堀辰雄

昭和初期を代表する作家。肺結核の療養先であった軽井沢を舞台とした作品で知られる。代表作は、婚約者の死をきっかけに書いた『風立ちぬ』をはじめ、『美しい村』『がげろふ日記』『菜穂子』など。自身の病気や母親、婚約者、親交のあっ…

星新一

「ショートショートの神様」と呼ばれる小説家、SF作家。本名は星親一。父親が社長を務めていた星製薬株式会社の取締役社長、副社長を経て、1957年に作家として商業誌デビューを果たすという異色の経歴を持つ。平易な文章で書かれた…

中原淳一

新しい女性のライフスタイルを提唱し続けたイラストレーター。雑誌編集者、ファッションデザイナー、人形作家、インテリアデザイナー、ヘアスタイリストなどさまざまな分野で才能を発揮した。専属画家として表紙や挿絵を担当した雑誌『少…

宮武外骨

明治期から昭和にかけて活躍したジャーナリスト。新聞記者、新聞編集者、メディア史学者、著作家、新聞史研究家、江戸・明治期の世相風俗研究家などといったさまざまな顔を持つ。反骨精神に富み、政府と権力に対し筆をもって批判を行い、…

いわさきちひろ

柔らかなタッチの子供の水彩画で知られる画家、絵本作家。「子供の幸せと平和」を常にテーマにしていた。本名は松本知弘(まつもとちひろ)。夫は日本共産党の元国会議員・松本善明。ヒゲタ醤油の広告絵を20年間も手がけ、1954年に…

遠藤周作

小説家。またエッセイや戯曲なども残す。 幼き頃にカトリックの洗礼を受け、キリスト教をテーマととした作品を数多く櫛比する。一方で、「狐狸庵山人(こりあんさんじん)」と号しユーモア溢れるエッセイを発表したり、素人を率いた劇団…

阿久悠

「また逢う日まで」(尾崎紀世彦)、「UFO」(ピンク・レディー)など数々のヒット曲を世に送り出した作詞家。放送作家、詩人、小説家でもある。本名は深田公之。多夢星人(たむせいじん)の変名も使用した。初めてつくった歌詞はザ・…

寺山修司

演劇実験室「天井桟敷」の主宰。 24歳のときにラジオドラマ『大人狩り』のシナリオを担当。その過激な内容が大きな反響をよぶ。 劇作家/演出家にとどまらず、小説家、作詞家、俳人、詩人、評論家から俳優まで幅広く活動し、膨大な著…

安部公房

日本の小説家、劇作家、演出家。代表作は『砂の女』『箱男』『燃え尽きた地図』など多数。三島由紀夫らとともに戦後の日本小説界を担った人物で、戦後文学賞、 芥川龍之介賞、 岸田演劇賞、 読売文学賞、 谷崎潤一郎賞、 フランス最…

松本清張

日本の小説家。推理小説、時代小説、歴史小説だけでなくノンフィクションのジャンルでも数多くの傑作を残した。もともと作家志望ではなかったが、1951年、朝日新聞社勤務中に書いた処女作『西郷札』が『週刊朝日』の「百万人の小説」…

横溝正史

日本を代表するミステリ作家。ボサボサ頭と人懐っこい笑顔が印象的な名探偵・金田一耕助の生みの親として知られ、金田一が活躍する『八つ墓村』『犬神家の一族』などの「金田一シリーズ」は長年に亘り多くの読者に愛され、多数の作品が映…

山田風太郎

戦後における日本の娯楽小説を代表する作家。時代小説、推理小説、伝奇小説のジャンルで名をはせた。本名は山田誠也。1946年、24歳の時に雑誌『宝石』の懸賞小説に応募した『達磨峠の事件』が入選。これが江戸川乱歩に認められ、以…

井上ひさし

昭和から平成にかけて活躍した劇作家、小説家。 上智大学在学中から、浅草のストリップ劇場・フランス座にて幕間の芝居の脚本を書く。 その後放送作家としてデビューし、NHKで放送された人形劇『ひょっこりひょうたん島』で人気を博…

つかこうへい

日本の劇作家、演出家。 1974年に劇団『つかこうへい事務所』を設立。戯曲『熱海殺人事件』にて岸田國士戯曲賞をすると、人気が爆発。戯曲を固めきらず「口立て」とよばれる稽古場で台詞を常に変更していくなど、演劇のライブ感を極…

志賀直哉

大正・昭和の小説家。 武者小路実篤や有島武郎らとともに同人誌『白樺』を立ち上げ、日本文学に大きな影響を与えた。 代表作は『暗夜行路』『和解』『小僧の神様』『城の崎にて』など。

三島由紀夫

昭和の小説家、劇作家、政治活動家である。本名は平岡公威(ひらおかきみたけ)。 代表作は、『仮面の告白』『潮騒』『金閣寺』『サド公爵夫人』。のちに政治組織「盾の会」を結成。最後は自衛隊市ヶ谷駐屯地にて、クーデターを促す演説…

川端康成

昭和の小説家。1968年、日本人初のノーベル文学賞を受賞。 代表作は、『伊豆の踊子』『雪国』など。

司馬遼太郎

昭和の作家。本名は福田定一(ふくだていいち)。

太宰治

昭和の小説家。太宰治はペンネームであり、本名は津島修治。

岸田國士

劇作家、演出家、小説家、評論家、翻訳家、評論家。女優・岸田今日子の父。代表作に戯曲『牛山ホテル』『チロルの秋』、小説『暖流』『双面神』、翻訳小説『にんじん』などがある。父が陸軍軍人だったことから陸軍士官学校に入り、その後…

吉川英治

昭和を代表する大衆小説家。 『宮本武蔵』『新・平家物語』『私本太平記』『三国志』など大作を執筆。いずれも大ヒットとなり、「国民文学作家」とよばれた。 1960年(昭和35年)に文化勲章を受章。1967年(昭和42年)には…

小林多喜二

小説家。プロレタリア文学の巨頭。 小樽商科大学(旧・小樽高等商業学校)卒業後、北海道拓殖銀行に入行。銀行勤務を続けながら、『蟹工船』などの傑作を発表するも、その内容から警察(特に特高警察)から厳しくマークされた。 地下活…

江戸川乱歩

小説家。推理小説を日本に根づかせたことで広く知られる。 本名は平井太郎。ペンネームは乱歩が敬愛するアメリカの作家、エドガー・アラン・ポーをもじったものである。

栗山大膳

江戸時代初期の武士、福岡藩黒田家の重臣。「大膳」は通称で、名は利章(としあきら)。江戸時代における「三大御家騒動」のひとつ「黒田騒動」の中心人物。大膳の父は、名軍師として名高い黒田官兵衛(如水、孝高)とその子で福岡藩初代…

平田篤胤

江戸時代後期の国学者、神道家、思想家、医者。復古神道(古道学)の大成者で、荷田春満(かだのあずままろ)、賀茂真淵、本居宣長とともに「国学四大人(しうし)」のひとりに数えられる。幼名は正吉、通称は半兵衛、元服後は胤行のち篤…

萩野鳩谷

江戸時代中期から後期の儒学者。名は信敏、通称は喜内、号は鳩谷。奇行と高慢さゆえに「天狗」と呼ばれ、自らも「天愚孔平」「天愚斎」と名乗った。出雲国松江藩に代々藩医として仕える萩野家に生まれ、鳩谷も2代の藩主に仕えて藩の重役…

笠森お仙

江戸時代中期の女性。江戸は谷中にある笠森稲荷門前の水茶屋「鍵屋」の看板娘として有名。浅草寺奥山の楊枝屋「柳屋」の柳屋お藤、二十軒茶屋の水茶屋「蔦屋」の蔦屋およしとともに「明和三美人」のひとりとして数えられた。お仙は12歳…

有島武郎

小説家。代表作は『カインの末裔』『或る女』、『惜みなく愛は奪ふ』(評論)など。志賀直哉、武者小路実篤らと交流し、彼らと同人誌『白樺』の中心人物となる。しかし、徐々に創作意欲が衰え、最後は人妻の波多野秋子(婦人公論記者)と…

長谷川如是閑

ジャーナリスト、小説家。大正デモクラシーを牽引した論客のひとり。「如是閑」は雅号である。本名は長谷川萬次郎。

幸田露伴

尾崎紅葉とともに、明治文壇の重鎮として『紅露時代』を築いた小説家。随筆にも定評があり、第一回文化勲章受賞者。代表作は『五重塔』。

尾崎紅葉

小説家。明治時代の文壇において幸田露伴とともに重鎮とされ『紅露時代』と並び称された。後年たびたび映画・ドラマ化された貫一お宮でしられる代表作『金色夜叉』は、執筆中に紅葉が亡くなったため未完である。

田澤稲舟

本名は田澤錦(たざわきん)。第二の樋口一葉と期待されながら23歳の若さで亡くなった女流小説家。夫は言文一致で近代文学史に名を残す小説家・山田美妙。死因については多量の睡眠薬を服用していたことから自殺とする説もあり、現在で…

山田美妙

本名は山田武太郎。同時代の二葉亭四迷や尾崎紅葉らとともに、言文一致体という難題に取り組み、近代文学史に名を残す小説家。代表作は『武蔵野』『蝴蝶』。後年は作家として不遇の時代を過ごし、国語辞典の『日本大辞書』『大辞典』を編…

二葉亭四迷

明治を代表する小説家のひとり。当時の常識を打ち破り、話し言葉に近い口語体で書くという『言文一致体』に挑戦し書き上げた『浮雲』は、日本の近代文学史において極めて重要な意味をもっている。ほか代表作は『其面影』『平凡』。

夏目漱石

明治時代を代表する文豪。本名は夏目金之助、俳号は愚陀仏。遅咲きであり処女作である『吾輩は猫である』を発表したのは39歳である(1905年)。 大学は帝国大学(現・東京大学)に入学、正岡子規など後に文壇で活躍する友人を数多…

高浜虚子

本名は高濱清(たかはまきよし)。虚子は師である正岡子規より授かる。俳人・小説家として、明治から昭和にかけて、特に俳壇で大きな足跡を残す。

小山内薫

(1881~1928) 劇作家・演出家・小説家。広島生まれ。東大卒。歌舞伎・新派劇にかわる近代的演劇を志し、1909年(明治42)二世市川左団次と自由劇場を創立、西欧近代劇の上演を行う。24年(大正13)土方与志と築地小…

島崎藤村

(1872~1943) 詩人・小説家。岐阜県(旧長野県馬籠)生まれ。本名、春樹。明治学院卒。北村透谷らと「文学界」を創刊。「若菜集」により浪漫主義詩人としての名声を博したが、のち小説に移り自然主義の代表的作家となった。小…

武者小路実篤

(1885~1976) 小説家。東京生まれ。東大中退。1910年(明治43)「白樺」を創刊し、大胆な個人主義を主張。のち調和的社会の実現を目指して「新しき村」を興す。独特な口語文体で、個人や人間生命を賛美した。小説「お目…