藤田嗣治

藤田嗣治

画家、彫刻家。猫と女性を画題にした作品を多く残し、特に独特の手法を使って描いた「乳白色の肌」と呼ばれた裸婦像は西洋画壇から絶賛された。フランスで最も有名な日本人画家といわれている。子供の頃から絵に興味を持ち、東京美術学校(現・東京芸術大学)の西洋画科を卒業後、念願だったフランスに渡る。日本にはない新しい絵画に触れた藤田はやがて透明感あふれる独特な画風を確立、作品はしだいに評価を高め、フランスの美術展覧会「サロン・ドートンヌ」の審査員に推挙されるまでになった。女性画を得意とした藤田の作品でも特に『Nu couché à la toile de Jouy(寝室の裸婦キキ)』と題される作品はサロン・ドートンヌでセンセーションを巻き起こすほどの話題作となった。1925年にはフランスからレジオン・ドヌール勲章、ベルギーからレオポルド勲章を贈られ、もはやフランスで藤田の名を知らぬ者はいないほどにまで成功を収めた。第二次世界大戦勃発を受け日本に帰国、戦時中はやむなく戦争画も手がけたが、戦後、再びフランスへ戻り1955年にはフランス国籍を取得した。1957年フランス政府からはレジオン・ドヌール勲章シュバリエ章を贈られ、1959年にはカトリックの洗礼を受けてレオナール・フジタとなった。ちなみに藤田には4度の離婚暦があり、最期を看取った君代は25歳年下の5度目の妻。

反応