土方巽
「暗黒舞踏」というこれまでにない全く新しい舞踏を確立した舞踏家、振付師。本名は元藤九日生(もとふじくにお)。舞踏家・大野一雄らにモダンダンスを学び、1959年に三島由紀夫の小説をベースにした「禁色」を発表。過激で倒錯的なエロティシズムは非難を受けたが、土方は以降も「暗黒舞踏派」を名乗り、エロティシズムとバイオレンスを強調したこれまでの舞踏にはない作品を次々と発表した。代表作に「肉体の叛乱」「疱瘡譚」「四季のための二十七晩」「静かな家」「ひとがた」「ばら色ダンス」などがある。『病める舞姫』『犬の静脈に嫉妬することから』など著書も多く、また俳優として『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』『日本暗殺秘録』などの映画にも多数出演した。土方のもとからは唐十郎や麿赤兒、田中泯といった今日活躍する演出家、舞踏家が数多く育っていった。
反応