大西巨人
大西 巨人(おおにし きょじん、1916年(大正5年)[注 1]8月20日 – 2014年(平成26年)3月12日)は、日本の小説家・評論家。本名は同じく「巨人」と書いて「のりと」。マルクス主義の立場を堅持し、唯物論的観点から個人の尊厳を創作で追究した。小説・批評のいずれにおいても、常に主体を明確にした、論理性を重んじる文体を用いている。
福岡県福岡市出身。福岡中学、福岡高校卒業、九州帝国大学法文学部中退。大阪毎日新聞(現・毎日新聞)西部本社勤務を経て、1942年対馬要塞重砲兵聯隊入隊。1946年 福岡高校の同級生であった宮崎宣久とともに綜合雑誌『文化展望』を創刊。『文化展望』に執筆した時評文が注目され、『近代文学』同人となる。上京後、1950年代前半には新日本文学会の事務局に勤務し、会の組織再編を担当しながら評論を書く。このとき、会再編の方法と野間宏『真空地帯』を論じた「俗情との結託」での作品評価をめぐって宮本顕治と論争する。
兵隊経験を基に、日本軍を舞台にした全八部約四七〇〇枚の大長編小説『神聖喜劇』を約四半世紀を費やして著す。この作品には、野間の『真空地帯』が資本制経済下における階級社会の縮図としてある軍隊を描いていないという問題意識も反映している。最初は雑誌『新日本文学』に掲載されたが、大西が新日本文学会を退会したために、『文芸展望』『社会評論』(活動家集団思想運動機関誌)に移り、最後のほうは書き下ろしで、1980年に刊行が完結した。この題名はダンテ・アリギエーリの『神曲』原題、La Divina Commedia(神聖なる喜劇)から採ったものである。
誕生 |
大西 巨人(おおにし のりと) 1916年8月20日 日本・福岡県福岡市 |
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死没 |
日本・埼玉県さいたま市中央区 |
2014年3月12日(97歳没)
職業 | 小説家・評論家 |
言語 | 日本語 |
国籍 | 日本 |
最終学歴 | 九州帝国大学法文学部中退 |
活動期間 | 1949年 – 2014年 |
ジャンル | 小説・評論 |
代表作 |
『神聖喜劇』 (1978年) 『三位一体の神話』(1992年) |
デビュー作 | 『精神の氷点』(1949年) |
反応