いかりや長介

「長さん」の愛称でお茶の間から愛されたコメディアン、俳優。ベーシストでもある。本名は碇矢長一。「ザ・ドリフターズ」の3代目リーダーで、コント番組『8時だよ!全員集合』や『ドリフ大爆笑』は一世を風靡するほどの大人気となった。特に『全員集合』は生放送のコント番組というスタイルながら大掛かりなセットや練りこまれたネタ、出演者たちの体を張った笑いが子供からお年寄りまで幅広い層に熱狂的に受け、平均視聴率27.3%、絶頂期には平均視聴率が40%を超えるというオバケ番組となった。いかりやの代表的なギャグ、「オイーッス!」「だめだこりゃ」「次いってみよー!」は今なお使われる定番ギャグになっている。コントグループとしての印象が強いドリフだが、もともとは音楽バンドであり、いかりやはベーシストを務めていた。1966年には来日したビートルズの前座として日本武道館で公演をしている。いかりやは晩年、ベーシストとしてキリン・ラガービールのCMに出演しており、その時の写真は遺影に使われた。1985年に『全員集合』が終了すると俳優としての活動を開始、渋い演技をする個性派俳優としてテレビドラマ『踊る大捜査線』の和久平八郎役をはじめ多数の映画やドラマに出演した。1999年には、『踊る大捜査線 THE MOVIE』で第22回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞を受賞している。また、自身がライフワークとも語っていた火曜サスペンス劇場『取調室』シリーズも代表作のひとつとしてファンが多い。そのほか、その個性的な声を活かしナレーションの仕事なども精力的にこなしていたが、2003年5月に「原発不明頚部リンパ節がん」により緊急入院、闘病生活を経て一旦は復帰したが、2004年3月15日、がんの転移により再び入院。その5日後、他界した。最後のテレビ出演となったのは、2003年12月23日に放送された『40周年だよ!ドリフ大爆笑スペシャル』である。