ハインリヒ・ヴィルヘルム・エルンスト
ハインリヒ・ヴィルヘルム・エルンスト(Heinrich Wilhelm Ernst, 1814年5月6日 – 1865年10月8日)は、オーストリア帝国(現在のチェコ)生まれのヴァイオリニスト兼作曲家。
モラヴィア地方ブリュン(現ブルノ)の生まれ。9歳のころからヴァイオリンをはじめ、神童と言われた。ウィーン音楽院でヨーゼフ・ベームにヴァイオリンを習い、作曲をイグナーツ・フォン・ザイフリートに師事した。1828年にニコロ・パガニーニの演奏を聴いて超絶技巧のヴァイオリン演奏に目覚め、人前で決して練習を見せないパガニーニの演奏をこっそり聞くなどして苦心の末に彼の作品を再現。後にパガニーニを含む聴衆の前で『ネル・コル・ピウ変奏曲』を弾き、作曲者であるパガニーニを吃驚させたといわれている。
パガニーニを髣髴させる変奏曲や幻想曲を多く残し、生前は『ヴェニスの謝肉祭による変奏曲』作品18が彼の代名詞となっていた。パガニーニの後継者と目され、ヨーロッパ中を演奏して回ったエルンストは、1862年に神経痛のため引退し、その後も作曲を続けて1865年に奇しくもパガニーニと同じくニースで没した。
現在では、難曲として知られるヴァイオリン独奏曲「フランツ・シューベルトの『魔王』による大奇想曲」作品26、「悲壮協奏曲」作品23などごく一部の作品が演奏されている。
エルンストのリトグラフ。下に直筆のサインが書かれている。
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基本情報 | |
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生誕 |
1814年5月6日 オーストリア帝国、ブリュン |
死没 |
フランス帝国、ニース |
1865年10月8日(51歳没)
学歴 | ウィーン音楽院 |
ジャンル | クラシック音楽 |
職業 |
ヴァイオリニスト 作曲家 |
担当楽器 | ヴァイオリン |
反応