古今亭志ん生(5代目)
20世紀を代表する落語家のひとり。本名は美濃部孝蔵。芸風は「天衣無縫」「破天荒」と評され、現存する落語の音源は今でもファンに親しまれて根強い人気を誇る。出囃子は『一丁入り』。代表的な落語に『火焔太鼓』『黄金餅』『富久』など。長男は10代目金原亭馬生(初代古今亭志ん朝)、次男は3代目古今亭志ん朝。徳川直参旗本だった美濃部家に生まれたが、放蕩生活の末に家出、その後、2代目三遊亭小圓朝に入門し落語の世界へ入った。長らく売れない不遇の時代をすごし16回もの改名を経て、1939年に5代目古今亭志ん生を襲名、この頃からようやく人気が出るようになってきた。戦後、人気に火がつき寄席だけでなく多くのラジオ番組に出演する人気落語家となった。しかし1961年、公演中に脳出血を起こし昏倒、昏睡状態になるも復帰を果たすが半身不随となり以前の勢いある芸風は失われ、1968年に高座を引退した。大変な酒飲みで、酔って高座に上がったことが何度かあり、公演中に居眠りしたというエピソードもある。
反応