土門拳

土門拳│無料動画│showa 00304 m

戦後日本における代表的な写真家。「絶対非演出の絶対スナップ」を主張し、とことんまで「リアリズム」を追求した報道写真やスナップ、ポートレートで知られる。また、日本の伝統文化や美術に深い愛情をそそぎ、数多くの仏像や寺院を撮影、あまたの傑作写真を生み出した。代表的な写真集に『古寺巡礼』『室生寺』『筑豊のこどもたち』『骨董夜話』『ヒロシマ』などがある。妥協を許さない完全主義者として有名だった土門には撮影中の逸話が数多く残されており、たとえば、1941年に画家・梅原龍三郎を撮影した時のこと、納得のいく写真が撮れず何度も撮影を重ね続ける土門にしびれを切らした梅原が激昂し藤椅子を床に叩きつけた。しかし、土門はそれに動じることなくさらにはその怒りの表情を撮影しようとしたため、梅原のほうが根負けしたという。リアリズムを追求する土門は女性を撮影する際にも、顔のシワやシミを容赦なく撮影するため被写体から敬遠されることもあったといい、ソフトなタッチで女性からの受けもよかった写真家・木村伊兵家とたびたび比較される。土門は写真の才能だけでなく文才にも恵まれ、『死ぬことと生きること』『写真作法』『写真批評』『写真随筆』『拳眼』『拳心』『拳魂』など多くの著書も残している。さらに書もよくし、自著の題字なども多く手がけた。2度目の脳出血のあと半身不随となったが、土門は写真家として活動を続けたが、1979年、3度目の脳出血に倒れたあと意識不明となり、11年間の昏睡状態を経て他界した。

反応