大野一雄

大野一雄│無料動画│showa 00259 m

100歳を超えて舞台に立ち続け生涯現役を貫いた舞踏家。代表作として「ラ・アルヘンチーナ頌(しょう)」「わたしのお母さん」「死海」「睡蓮」などがある。1929年にスペインの革新的舞踏家ラ・アルヘンチーナの来日公演を観て深い感銘を受け、舞踏に興味を持つようになる。体育教師として勤務する傍ら、舞踏家・石井漠に師事しモダンダンスを学んだ。その後、日本モダンダンス界のトップダンサー江口隆哉と宮操子による舞踊研究所に入所した。戦後復員すると、1949年に東京の神田共立講堂で初リサイタル公演を行った。50年代の終わりには舞踏家・土方巽と出会い、「暗黒舞踏」の公演に出演、大野は多大な影響を受けた。そして、1977年、大野がソロで踊り、土方が演出した「ラ・アルヘンチーナ頌」を公演、独創的な表現方法は注目を集め、1980年にフランスのナンシー国際演劇祭に招かれた際にも同作を披露し海外の芸術家たちに衝撃を与えた。その後も欧州、北米、アジア各国など世界中で公演を行い、1999年12月にニューヨークで行った「20世紀への鎮魂」が最後の海外公演となった。90歳を超えて目を患い、歩行も困難になっても舞踏への情熱は冷めることなく舞台に立ち、座ったまま踊ることや手だけで踊ることもあったという。海外公演の多かった大野には外国人のファンも多く、イギリスの音楽グループ「アントニー&ザ・ジョンソンズ」が2009年にリリースしたアルバム「The Crying Light」のジャケットには大野の写真が使われている。

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