小野正吉

「日本のフランス料理の父」と称される料理人。ホテルオークラ東京の初代総料理長を務めた。尋常小学校を卒業後、社交クラブの草分け的存在として知られる「東京倶楽部」に、18歳でホテルニューグランドに入社した。その後、ブリヂストンアラスカ料理長などを経て、1961年に大成観光株式会社（現・ホテルオークラ）の料理部次長になると、その8年後、ホテルオークラの総料理長となった。総料理長としてホテルオークラのフランス料理を確立させただけでなく、「日本エスコフィエ協会」の創設に尽力するなど戦後日本に本格フランス料理を導入し、その発展に尽くした。また、NHKの料理番組「きょうの料理」に講師として出演したり、『フランス料理への招待』『小野正吉フランス料理』シリーズなどフランス料理に関する著書を出版するなど、フランス料理を一般の人々にも身近なものにする活動を行った。こうした功績が讃えられ、黄綬褒章、文化庁長官表彰、勲四等瑞宝章を受章した。