斎藤十一

『週刊新潮』『FOCUS』など数多くの雑誌を創刊した新潮社のカリスマ編集者。社内では「天皇」「怪物」と呼ばれ恐れられたという。1935年、早稲田大学理工学部を中退後に新潮社に入社。同時期に在職した作家・伊藤整が斎藤について「カミソリのやうな、とはかういふ人のことだろう」と評したほど強烈な個性を持った編集者だった。文芸誌『新潮』の編集長時代の仕事としては、作家・坂口安吾の『堕落論』を同誌に掲載し社会的反響を呼んだことで知られる。また、柴田錬三郎や山口瞳、山崎豊子らといった人気作家を育てた。1997年に新潮社顧問に就任。その後も死の直前まで現役編集者として辣腕を振るい続けた。