朝永振一郎

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「くりこみ理論」と呼ばれる新たな理論により量子電磁力学の発展に寄与した功績でノーベル物理学賞を受賞した物理学者。父は京都大学名誉教授の哲学者・朝永三十郎。同じくノーベル物理学賞を受賞した物理学者・湯川秀樹とは中学、高校、大学において同期入学・卒業で、さらに同じく理化学研究所(理研)で物理学者・仁科芳雄に師事した。子供の頃は病弱で泣き虫だったという。しかし、好奇心は人一倍で自分の手で電信機や虫眼鏡をつくるなど実験に夢中になった。アインシュタインの来日もあり物理学に興味を持つようになり、やがて量子力学を学びたいと思うようになったが当時の日本には量子力学を教えることができる先生がおらず、大学在学中は同期の湯川秀樹と協力し合い量子力学の勉強に励んだという。その不遇を救ったのが仁科芳雄との出会いであった。1932年、朝永は仁科芳雄の誘いを受け東京にある理研に入所、マグネトロンの発振機構の研究などに携わった。当時の理研での研究生活について朝永は「科学者の自由な楽園」と語っている。その後、ドイツに留学。帰国後は東京文理科大学(現・筑波大学)の教授に就任。1947年、「くりこみ理論」を完成。これにより当時の量子力学が抱えていた矛盾は解消され、さらに、相対性理論と量子力学という20世紀における物理学の二大成果が結びついた。晩年は中学校などでも講義を行うなど精力的に活動していたが、1979年、咽頭がんのため他界した。著書に量子力学の名著として名高い『量子力学』や、大佛次郎賞を受賞した『物理学とは何だろうか』などがある。

反応