榎本健一
「エノケン」の愛称で親しまれ、「日本の喜劇王」と呼ばれたコメディアン。俳優、歌手でもある。戦前・戦後の日本エンターテインメントを象徴するひとり。浅草オペラの「根岸大歌劇団」の一員としてデビュー、1929年に軽演劇劇団「カジノ・フォーリー」に参加し喜劇俳優となった。軽妙な動きとユーモラスで愛嬌のある表情は多くの観客を魅了し、人気者となった榎本は舞台に映画にひっぱりだことなった。同じく「喜劇王」と呼ばれた古川ロッパとともに一時代を築き上げ、1960年には紫綬褒章を受章した。晩年、舞台中の事故が原因で左足に脱疽を発病、1952年には右足に脱疽を再発し、のち右足を切断するにいたった。一時は失意から自殺未遂を繰り返したが、精巧な義足を得て見事にカムバックを果たした。1970年1月7日、肝硬変のため他界。代表作に、映画『エノケンのちゃっきり金太』『エノケンの近藤勇』などや舞台『西遊記』などがある。
反応