池波正太郎

池波正太郎

戦後日本を代表する時代小説、歴史小説家。代表作は『鬼兵犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』『真田太平記』など多数。大の食通としても知られる。また、映画評論家としても有名であった。戦後、東京都の職員をしながら戯曲を執筆、劇作家・長谷川伸に師事し、やがて新国劇の脚本を担当するようになった。その後、都職員を退職し専業作家となり、劇作と小説の執筆を精力的に行った。1960年には、『錯乱』で直木賞を受賞。そして、1967年、池波の代表作『鬼平犯科帳』の第一作となる「浅草御厩河岸」を発表、江戸の市井を舞台とした悪漢小説は読者の熱い支持を受け大ヒットシリーズとなっていった。同作はドラマや舞台にもなり、さらに人気を呼んだ。1973年から連載がスタートした『剣客商売』や『必殺仕掛人』も大人気を博しシリーズ化、連続ドラマも大ヒットし池波は国民的小説家の地位を不動のものとした。その後も『鬼平』『剣客』『仕掛人』シリーズを中心に多くの連載をかかえながら作家活動にまい進していたが、「昭和」から「平成」へと変わる頃、体調不良を覚えるようになる。そして、1990年3月3日に急性白血病で緊急入院してからちょうど2ヵ月後の5月3日、池波はこの世を去った。没後、その功績を讃えられ勲三等瑞宝章を受章した。

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