淀川長治

映画評論家。32年にわたりテレビ朝日の日曜21時の『日曜洋画劇場』の解説をつとめ、その穏やかな口調と熱のこもった解説は、長年お茶の間に親しまれた。とくに、決まり文句であったホラー映画の解説で多用された「怖いですねえ、恐ろしいですねえ」と、番組最後の「それでは次週をご期待ください。サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ」は、多くの人の記憶に残っている。日本を代表する映画界の巨匠・黒澤明とは生涯親友であり、黒澤の死後わずか2カ月で淀川も他界した。映画監督の北野武を高く評価し、何度か対談もしている。ちなみに、ハリウッド俳優のアーノルド・シュワルツェネッガーの愛称「シュワちゃん」は淀川が命名したものといわれている。生涯独身を貫いた。