淡島千景

娘役の宝塚スターとして、その後、銀幕スターとして活躍した女優。本名は中川慶子。弟はアニメーター、キャラクターデザイナーの中川雄策。1941年から50年まで宝塚歌劇団に所属し、類まれな美貌から娘役スターとして人気を博した。手塚治虫の漫画『リボンの騎士』に登場する主人公サファイア王女は淡島が演じた男役がモデルになっている。退団後は松竹に入社し、映画の世界へ。『てんやわんや』でデビューするや第1回ブルーリボン賞演技賞を受賞、その後、『麦秋』『君の名は』などに出演、特に第6回ブルーリボン賞主演女優賞を受賞した『夫婦善哉』は代表作にあげられる。そのほか、『白と黒』『妻として女として』『人間の條件』など数多くの映画に出演、紫綬褒章や菊池寛賞など多くの賞にも輝いた。80歳を過ぎても精力的に活動し生涯現役を貫き、2012年2月16日、すい臓がんのため他界した。生涯独身であった。没後、借金騒動が持ち上がったが、本人がつくった借金ではなかったという。ちなみに、女優の扇千景と淡路景子は淡島の名にあやかってつけられた芸名。