田中好子

国民的アイドルとして一世を風靡した3人組「キャンディーズ」のメンバーのひとりで女優としても活躍した。愛称は「スーちゃん」。本名は小達好子(旧姓:田中)。夏目雅子は義妹にあたる。1972年にNHKの歌番組『歌謡グランドショー』のマスコットガールオーディションに合格、同時に合格した伊藤蘭、藤村美樹とともに「キャンディーズ」と命名されグループを組んだ。翌年、「あなたに夢中」で歌手デビューしたがしばらくはヒット曲に恵まれなかった。しかし、5枚目のシングルとなる「年下の男の子」が大ヒット、以降、「春一番」「暑中お見舞い申し上げます」「わな」など次々とヒット曲を連発し、国民的アイドルグループとなった。ところが人気絶頂にあった1977年、突然解散を発表、田中も一時芸能界を引退した。1980年に芸能界に復帰して以降は女優業をメインに活動、今村昌平監督の『黒い雨』では主演を務め、その演技が高く評価され日本アカデミー賞をはじめ数々の映画賞を受賞した。優しい雰囲気の田中は母親役を演じることが多く、47作品で母親役を務めている。また、兵庫県手延べ素麺協同組合の「揖保之糸」のCMキャラクターを19年もの間務めた。演技派女優として活躍していた田中だが1992年に乳がんが発見されて以降、芸能活動を続けながら秘かに闘病生活を送っていた。そして2011年4月21日、がんにより他界した。田中は亡くなる3週間前に病室でメッセージを録音しており、告別式の際に喪主のあいさつのなかで録音テープが流された。