石津謙介

「メンズファッションの神様」といわれた戦後を代表するファッションデザイナー。日本メンズファッション協会最高顧問で、ファッションだけでなく、ライフスタイルから思想にいたるまで戦後日本の文化に多大な影響を及ぼした。若い頃から流行に敏感で高い感性を持ち、明治大学在学中にはオートバイ・クラブや航空部などを創部した。戦後、ファッションメーカーのレナウンに入社、1951年には株式会社ヴァンヂャケットを創設。アメリカの学生ファッションを「アイビールック」として紹介したところこれが若者に大流行、ブレザーとボタンダウンシャツのアイビールックに身を固めた大勢の若者たちが銀座のみゆき通りを歩き「みゆき族」と呼ばれ社会現象にまでなった。1964年に開催された東京オリンピックでは日本代表選手団の赤い公式ブレザーをデザインしその名声をさらに高めた。「VAN」ブランドの影響力は現在にも深く浸透しており、たとえば「TPO」「カジュアル」「トレーナー」「Tシャツ」などといったフレーズもVANの企業戦略から生まれたものである。