速水御舟

速水御舟│無料動画│showa 00184 m

大正から昭和初期にかけて活躍した日本画家の巨人。本名は蒔田栄一。幼い頃から絵に興味を持ち、歴史画の名手・松本楓湖に入門、その才能は早くから開花しわずか16歳にして展覧会に作品を出品するまでになった。1911年には「室寿の讌」(むろほぎのうたげ)が宮内省に買い上げられるという栄誉を受けた。その後、同門の今村紫紅らと「赤曜会」を結成、固定概念に固まっていた日本画壇に革命を起こすべく革新的な作品を発表するようになっていった。1919年、市電にひかれて左足を切断するという悲劇に見舞われたが、御舟の絵に対する情熱は冷めることはなかった。そして、1925年、御舟の代表作「炎舞」(重文)を完成させる。徹底した写実と幻想が見事に融合したこの作品は重要文化財に指定されている。1929年にはもうひとつの代表作「名樹散椿」を発表。古典的な日本画の手法とキュビズムを大胆に融合させた同作は、昭和の美術作品として初となる重要文化財に指定された。その後も新しい表現方法を模索し日本画の可能性に挑戦し続けた御舟だったが、1935年3月20日、腸チフスのため急逝した。日本画の担い手としてますますの活躍を期待されていた矢先の突然の死であった。

反応