雪本愁二

yukimotosyuji

小学生の時から漫画を描いており、「週刊少年誌が最も売れた時代」に夢中で漫画本を読み漁っていたと回顧している。世界設定や登場人物が魅力的な『らんま1/2』が好きで、何度も読み返したという。国際デザインカレッジマンガ科を卒業後は、関東で漫画家のアシスタントなどをしていたが、2011年に家族とともに帰郷して香南市赤岡町に居住。2012年の第24回黒潮マンガ大賞(高知新聞社主催)において「あくまのあわ屋」が入選する(当時のペンネームは「ぐりぐら」)。審査員の西原理恵子は「絵が好き。エッセー漫画とか描けるよ」と評した。その後はデザイン事務所などを経て、2016年に独立する

2017年には、同年放送のテレビアニメ『アリスと蔵六』の公式サイトに連載されていたスピンオフ作品『ワンダれ!!アリスと蔵六学園』が、単行本2巻として徳間書店から刊行された。2018年1月1日の『読売新聞』大阪版に掲載された記事において雪本は、イラストをインターネット上に投稿したことがきっかけで全国から仕事の依頼を受けるようになり、「昔に比べてチャンスが増えた」ことを実感した述べている(おもに企業PR用の四コマ漫画を執筆しているという)。自身の作品が書店に並ぶことには魅力を感じるが、ウェブ漫画の場合は高知からでも全国に発信でき、すぐに反応が返ってきて「何が読者に『うける』か分かる」ことが強みであるとしている

同年の2月頃から、ペットのインコや子どものぬいぐるみなど身近なモチーフから着想を得た漫画をTwitterに投稿するようになる(作中に巨大なセキセイインコ「ピーちゃん」が登場し、ペットの「ピー助」がモデルとなっている)。「ハリネズミの刺さった女の子の画」に対する反響が大きく、その後は「ちょっと変わった動物たちのくすっと笑える漫画」によって、1年前には5000人ほどだったフォロワーが5万人を上回った。そして講談社の漫画投稿サイトにおいて編集者と知り合ったことが、『けもらいふ』出版のきっかけになったという

『講談社コミックプラス』の記事では『けもらいふ』について、「かわいい動物」と「かわいい女の子」という二つの要素から成り立っている作品であり、「心地よい情報だけを表示する」というTwitterの特徴に合致する「SNSマーケティングのセオリーどおりの作品」であるとしている。しかし「奇妙で奇天烈で不思議」なキャラクター達が「安易なセオリー化」を拒んでおり、作品のオリジナリティが表現されている点が最も優れていると評価されている。なお雪本は、「仕事と思わず楽しんで描くのを念頭に置いてるので、あまり行き詰まることはなかった」と述べている。キャラクターの中では、前述したインコの「ピーちゃん」の反響が最も大きく、ほかにハリネズミやヒヨコの反響も大きいという

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