鶴田浩二

昭和を代表する映画スターのひとり。本名は小野榮一。娘は女優の鶴田さやか。数多くの映画やテレビドラマに出演し、甘いマスクで多くの女性ファンを魅了した。また、歌手としてもその独特の歌声で人気を博し、「傷だらけの人生」など多くのヒット曲を持っている。極貧の幼少時代を過ごし、14歳の時に俳優になることを夢見て時代劇スターだった高田浩吉の劇団に入団、その後、映画界に入り松竹映画『遊侠の群れ』で本格的に俳優デビューを果たすとすぐさま人気俳優の仲間入りをし、スター街道を駆け上がった。初期はアイドル的人気を博した鶴田だが、しだいに仁侠映画や戦争映画にも数多く出演し、幅広い役柄を魅力的に演じた。代表作に『人間魚雷 あゝ回天特別攻撃隊』『明治侠客伝 三代目襲名』『人生劇場』シリーズ『次郎長三国志』シリーズなど。女優・岸恵子とのラブロマンスは「戦後最大のロマンス」といわれたが事務所の反対にあい破局した。また1953年には暴力団・山口組の組員によるいわゆる「鶴田浩二襲撃事件」が発生し世間を騒がせた。