斎藤茂太

斎藤茂吉の息子。父と同じく精神科医をしながら、作家としても活動。数多くのエッセイを発表し、『モタさん』の愛称で親しまれた。斎藤病院名誉院長、日本精神病院協会(現在の日本精神科病院協会)名誉会長、アルコール健康医学協会会長…

林忠彦

昭和を代表する写真家のひとり。土門拳や木村伊兵衛と並び称される。なかでも太宰治や坂口安吾、織田作之助ら作家を撮影した作品は林の代表作である。銀座のバー『ルパン』にて、心地よく酒に酔う太宰治を撮影した一枚はあまりにも有名。

川口松太郎

第一回直木賞受賞作家。『鶴八鶴次郎』が評価された。また、大映映画の専務を務めたり、松田昌一名義で映画脚本を手がけるなど、映画界にも多大な貢献をした。

小田実

行動する作家として知られている。世界を貧乏旅行した体験記『何でも見てやろう』は大ベストセラーとなる。

谷崎潤一郎

近代文学を代表する文豪のひとり。さまざまなジャンルの作品を発表したが、なかでも人気が高かったのは耽美的な作品であり、三島由紀夫など後世の作家にも大きな影響を与えた。代表作は『刺青』『痴人の愛』『卍(まんじ)』『春琴抄』『…

白洲次郎

官僚、実業家。妻は作家の白州正子、長男は元東宝東和社長の白洲春正、長女は武相荘館長で作家の白洲桂子、孫は元内閣総理大臣・細川護熙の公設秘書でアートプロデューサー、エッセイスト、株式会社ジパング代表取締役の白洲信哉。戦後、…

佐藤春夫

作家、詩人。小説や詩だけでなく、明治末期から昭和まで長きにわたり活躍、評論、随筆、童話、戯曲、和歌など幅広いジャンルで数多くの作品を残した。また多くの校歌を手がけたことでも知られ、さらに絵画にも造詣が深く二科展などに作品…

佐多稲子

小説家。本名は佐多イネ。処女作『キャラメル工場から』が反響をよび、一躍プロレタリア文学の新進作家として注目される。著書に『くれなゐ』『樹影』『素足の娘』『夏の栞』『水』など。ちなみに上野不忍池の料理屋「清凌亭」で女中とし…

徳川夢声

マルチタレントの元祖ともいわれ、弁士・漫談家・作家・俳優の顔を持ち、ラジオ・テレビ番組で活躍。NHKラジオドラマ『宮本武蔵』(原作・吉川英治)の朗読は特に人気が高く、広くお茶の間に愛された。戦後はいち早くテレビという新た…

池田満寿夫

エロスの作家といわれたマルチアーティスト。画家・版画家・挿絵画家・彫刻家・陶芸家・作家・映画監督として、多彩な芸術活動を行った。1965年にはニューヨーク近代美術館で日本人初の個展を開催し大きな話題を呼び、版画では、ヴェ…

井上靖

小説家。様々なジャンルの作品を発表しているが、なかでも歴史物の人気が高く、たびたび映画・ドラマ化されている。代表作は『敦煌』『おろしや国酔夢譚』『氷壁』『しろばんば』『北の海』や2007年にNHK大河ドラマにもなった『風…

水上勉

みなかみつとむ、とも読む。『飢餓海峡』『金閣炎上』や直木賞を受賞した『雁の寺』など、多数のベストセラーを生みだした小説家。五人兄弟の次男として誕生したが貧しさから子供のときに寺に修行に出されたが後に出奔、その後さまざまな…

竹内均

科学をわかりやすく広めることに尽力した地球物理学者。「中学生が読んでもわかる科学雑誌」を目指し創刊された科学雑誌『Newton』の初代編集長。東京大学名誉教授、代々木ゼミナール札幌校校長なども務めた。トレードマークはふち…

菊田一夫

昭和を代表する劇作家・演出家、作詞家。本名は菊田数男。名作『がしんたれ』『放浪記』『風と共に去りぬ』などを手がける。演劇の道に入ったのは1933年のことで、コメディアンの古川ロッパらが旗揚げした劇団「笑の王国」の座付き作…

開高健

小説やエッセーなど幅広い分野で作品を残した作家。代表作は、芥川賞を受賞した小説『裸の王様』や『輝ける闇』『玉、砕ける』『耳の物語』など。またトリスウイスキーのキャッチコピー「人間らしくやりたいナ」は開高が手がけたもの。世…

林芙美子

庶民の目線での名作を残した女流小説家。代表作は自伝的小説『放浪記』をはじめ『浮雲』『晩菊』『めし』『うず潮』など。その作品は数多く映画化もされている。非常に多作で知られるが過労がたたり、1951年6月28日、心臓麻痺のた…

宇野千代

明治、大正、昭和、平成と生きた作家。その生涯において、作家の尾崎士郎、画家の東郷青児、北原武夫といった有名人との恋愛・結婚を繰り返したことでも知られおり、その華やかな人生は宇野自身の先品の中でも描かれている。代表作は、市…

石坂洋次郎

「百万人の作家」といわれた、戦前戦後の流行作家。代表作である『青い山脈』は何度も映画化、ドラマ化された。『青い山脈』のほか『陽のあたる坂道』『若い人』『あいつと私』『颱風とざくろ』など著書多数。晩年は認知症や高血圧など体…

加藤唐九郎

「現代の名工」とうたわれた陶芸家。織部焼の技術で国の無形文化財有資格者に認定されるも、8年後に永仁の壺事件で認定を取り消される。しかし、作家・山田風太郎は「この事件ののち、重要文化財級の作品を作れる男として加藤の名声はか…

やなせたかし

長年にわたり子供たちに愛され続けるアンパンマンの生みの親。漫画家、絵本作家、詩人。日本漫画家協会理事長や日本漫画家協会会長などを歴任。戦後、高知新聞に入社するも退職し上京、本格的に漫画家を志すようになる。その後しばらくは…

山崎豊子

『白い巨塔』『華麗なる一族』『大地の子』『沈まぬ太陽』など数々のヒット作を生み出した小説家。本名は杉本豊子。旧制京都女子専門学校(現・京都女子大学)を卒業後、毎日新聞社に入社し、勤務の傍ら小説を書き始める。作家デビューは…

火野葦平

小説家。本名は玉井勝則。旧制小倉中学校(現・福岡県立小倉高等学校)在学中に文学を志すようになり、早稲田大学英文科に入学、大学中退後は家業を継いでいた。1938年、出征前に書いた小説『糞尿譚』が第6回芥川賞を受賞し一躍注目…

菊池寛

大正から昭和にかけて活躍した小説家、劇作家、ジャーナリスト。本名は菊池寛(きくちひろし)。雑誌『文藝春秋』を創刊し、大手出版社・文藝春秋社を創設した実業家としても知られ、映画会社・大映の初代社長も務めた。第一高等学校の同…

横光利一

大正から昭和にかけて活躍した小説家。本名は横光利一(としかず)。菊池寛に師事し、1923年、『文藝春秋』に『蝿』を、『新小説』に『日輪』を発表し文壇デビューを果たす。その後、生涯の友・川端康成らと『文芸時代』を創刊し、「…

尾崎秀実

中国問題評論家、共産主義者、ジャーナリスト、朝日新聞社記者など。新聞記者だった父に伴い少年時代を台湾で過ごす。やがて中国問題に関心を持つようになり、朝日新聞社時代には上海支局に籍を置いた。中国問題のエキスパートとなった尾…

木下杢太郎

詩人、劇作家、皮膚科の医学者、翻訳家、美術史研究家、切支丹史研究家。本名は太田正雄。きしのあかしや、堀花村、地下一尺生、葱南などの筆名もある。東京帝国大学医科大学に在籍する傍ら、1908年、詩人・北原白秋らと青年文芸・美…

中里介山

約30年もの長期連載ながら未完の一大巨編時代小説『大菩薩峠』で名高い小説家。本名は中里弥之助。日刊新聞「都新聞」に入社し勤務する傍ら小説を執筆し、1909年に初の連載小説となる「氷の花」を同新聞に発表した。1913年から…

北原白秋

「雨降り」「からたちの花」「待ちぼうけ」「あわて床屋」など今も歌い継がれる数多くの童謡をつくったことで知られる詩人、童謡作家、歌人。本名は北原隆吉。少年時代から文学に熱中し、中学を中退すると早稲田大学英文科予科に入学、学…

新美南吉

名作童話『ごんぎつね』『手袋を買いに』などで知られる児童文学作家。本名は新美正八。童話のほか、童謡、詩、短歌、俳句、戯曲などにも才能を発揮したが、わずか29歳という若さで結核のため世を去った。安城高等女学校(現・安城高校…

川口浩

シリーズ全43回、7年間もの長寿人気番組となった『川口浩探検隊』の隊長として、子供を中心に絶大な人気を誇ったタレント、俳優、探検家。父は作家で大映専務の川口松太郎、母は女優の三益愛子。妻は女優の野添ひとみ。弟は俳優の川口…

青島幸男

放送作家、俳優、作詞家、小説家、政治家であり、『才人』『超マルチタレント』としてその活動は非常に多岐にわたった。まず、放送作家としてキャリアをスタートさせ、『おとなの漫画』や『シャボン玉ホリデー』をヒットさせる。また番組…

景山民夫

小説家、放送作家。放送作家として『シャボン玉ホリデー』『タモリ倶楽部』『11PM』『クイズダービー』といった人気番組に携わる一方、放送作家の高田文夫とコンビ『民夫君と文夫君』を結成したり、落語立川流に入門したり(名は『立…

北原亞以子

小説家。 『恋忘れ草』で第109回直木賞受賞。OLをしながら執筆活動をつづけ、処女作『ママは知らなかったのよ』にて第1回新潮新人賞を受賞する。その後、なかなか芽が出ずにいたが、40代より時代小説を軸足を移すことで、本格的…

斎藤憐

劇作家。本名は安彦憐(あびこれん)。早稲田大学第二文学部中退後、劇団『自由劇場』の結成に参加。代表作は岸田國士戯曲賞を受賞した『上海バンスキング』(串田和美演出)。ほか、『カナリア』(1997年)で菊田一夫演劇賞、『春、…

藤原伊織

推理作家。本名は藤原利一(ふじわらとしかず)。電通に勤務しながら、小説の執筆活動を開始。『ダックスフントのワープ』(1985年)で第9回すばる文学賞受賞、『テロリストのパラソル』(1995年)で史上初の直木賞と江戸川乱歩…

如月小春

劇作家、演出家、エッセイスト。本名は楫屋正子(かじやまさこ)。小劇場演劇における第三世代のひとり(第三世代はほか野田英樹や渡辺えり、鴻上尚史、川村毅、木野花ら)。1982年に劇団「NOISE」を立ち上げ、『DOLL』(1…

ヤマグチノボル

ライトノベル作家。 2011年7月15日、自身が闘病中であり、病名ががんであること、そして病状が末期であることを公表。その後2年にわたり病魔と闘うも、2013年4月帰らぬ人となる。死の数日前までTwitterやブログを更…

野上弥生子

99歳で天寿を全うするまで筆を持ち続けた作家。法政大学女子高等学校の名誉校長も勤めた。本名は野上ヤヱ。夫は夏目漱石門下の野上豊一郎。俳句雑誌『ホトトギス』にデビュー作を発表し作家活動をスタートさせると、以降、20年代の女…

武田麟太郎

小説家。代表作に『日本三文オペラ』『井原西鶴』『銀座八丁』『釜ケ崎』『雪の話』など。長男は詩人・武田文章、次男は河出書房の編集者・武田穎介。高校在学中に文章を書くようになり、東京帝国大学文学部中退後、『文藝春秋』に『暴力…

円地文子

小説家。本名は円地富美。夫は『東京日日新聞』の記者だった円地与志松。はじめは劇作家を志し、劇作家・小山内薫に師事した。小説家として評価されるようになったのは1960年代からと遅く苦労も多かったが、代表作『女坂』をはじめ『…

斎藤十一

『週刊新潮』『FOCUS』など数多くの雑誌を創刊した新潮社のカリスマ編集者。社内では「天皇」「怪物」と呼ばれ恐れられたという。1935年、早稲田大学理工学部を中退後に新潮社に入社。同時期に在職した作家・伊藤整が斎藤につい…

山口瞳

作家、エッセイスト。息子は作家で映画評論家の山口正介。編集者を経て、壽屋(現・サントリー)に入社し、PR誌「洋酒天国」の編集やコピーライターとして活躍。コピーライターとしての代表作に「トリスを飲んでHawaiiへ行こう!…

中上健次

戦後生まれ初の芥川賞作家。被差別部落出身(中上自身は部落のことを「路地」と表現する)。 芥川賞受賞作である『岬』や『枯木灘』『鳳仙花』『千年の愉楽』『地の果て 至上の時』など、中上の故郷である熊野を舞台にした作品を立て続…

水の江瀧子

「男装の麗人」と呼ばれ「ターキー」の愛称で人気を博した女優、映画プロデューサー。本名は三浦ウメ(のち水の江滝子に改名)。1928年、東京松竹楽劇部(のちの松竹少女歌劇団)に第一期生として入団、これまでにないショートカット…

榊莫山

「バクザン先生」の愛称で知られた書道家、作家。本名は榊齊(はじむ)。ひょうひょうとしたキャラクターからCMやバラエティ番組にも多数出演し、お茶の間の人気者となった。師範学校卒業後、教員として国民学校で勤務していたが、19…

東郷青児

洋画家。本名は東郷鉄春。1916年、第3回二科展に初出品した『パラソルさせる女』が二科賞を受賞し、注目を集めるようになる。デフォルメされたフォルムと柔らかな色彩で描かれた独特な女性像は一世を風靡し、戦後を代表する美人画家…

北杜夫

エッセイ『どくとるマンボウ』シリーズで知られる作家。精神科医、医学博士でもある。本名は斉藤宗吉。父は歌人で医師の斉藤茂吉。兄はエッセイストで精神科医の斉藤茂太。娘はエッセイストの斉藤由香と作家一家である。東北大学医学部卒…

佐野洋子

傑作絵本『100万回生きたねこ』などで知られる絵本作家、エッセイスト、作家。元夫は詩人の谷川俊太郎。武蔵野美術学校デザイン科を卒業後、ベルリン造形大学でリトグラフを学び、その後、絵本『やぎさんのひっこし』で絵本作家デビュ…

児玉清

俳優、タレント、司会者、作家と幅広いジャンルで活躍した。本名は北川清。もともと俳優志望ではなかったが、1958年に東宝映画第13期ニューフェイスに合格し、芸能界に入った。東宝時代は役に恵まれず、黒澤明監督の『悪い奴ほどよ…

坂口安吾

『堕落論』『白痴』などで時代の寵児となった無頼派の作家。本名は炳五(へいご)。純文学、歴史小説、推理小説、エッセイなど幅広いジャンルの作品を残し、その後の作家たちに多大な影響を与えた。幼い頃から破天荒な性格で、早くから小…